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モデスト・ムソルグスキー

組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編曲)

19世紀の後半、「ロシア5人組」と呼ばれた作曲家たちが活躍し、それまで沈滞していたロシア音楽に新しい息吹を吹き込んだ。それは、バラキレフ、キュイ、ムソルグスキー、ボロディン、リムスキー・コルサコフらの5人で、彼らはロシア民謡の旋律や舞曲のリズムなどを豊富に用い、真にロシア的な作品を創造しようという目的で、固く結ばれていた。ムソルグスキーは、この「ロシア5人組」の作曲家たちの中で、最もユニークな才能の持ち主であった。そのムソルグスキーには、建築家兼画家のヴィクトル・ハルトマンという。ほとんど同年輩の親友がいたが、1973年の夏、39歳という若さで忽然と世を去ってしまった。ハルトマンは、ムソルグスキーの才能を誰より高く評価し、彼のよき協力者だっただけに、その突然の死は、ムソルグスキーにとって大きなショックであった。(シャルル・デュトワ指揮、モントリオール交響楽団盤、日本語ライナー、志島栄八郎)

非常に愉しい「展覧会の絵」が登場した。描写的ではないし、ムソルグスキーの素朴なロシア色からも遠いが、いかにも現代の若手指揮者らしい明るさとスマートさが絶えず良い方向へ作用し、一種独特の魅力を持った名演を生んだのである。(ズービン・メータ指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック盤、日本語ライナー、宇野功芳)

この組曲「展覧会の絵」は、もとはピアノ用組曲として書かれたもので、ムソルグスキーの親友であったヴィクトル・ハルトマンの遺作展覧会の印象をもとにして作曲されたものである。そして、このピアノ用組曲「展覧会の絵」は、後年、ドビッシーを初めとして、多くの作曲家たちに大きな影響を与えたのであった。(ゲオルグ・ショルティ指揮、シカゴ交響楽団盤、日本語ライナー、志島栄八郎)



Last modified: Mon, 22 Oct 2012 21:06:51 +0900
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