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埼玉
関東山地が末広がりに関東平野へと高度を落とし消えていく。埼玉県の山はそんな地形にあって、首都東京の北側に隣接する群馬、長野、山梨などとの県境をなす2000m前後の中級山岳から、平野部に隆起する数10mの散歩コースまで、バラエティは豊か。家族連れからエキスパートまで、幅広い登山者を迎えている(山渓、新・分県登山ガイド「埼玉県の山」)。一般的に埼玉の山は、奥多摩、奥秩父に二分されるが、「埼玉県の山」では山域別に奥秩父、秩父、北秩父、外秩父、奥武蔵の5つに分けている。
奥秩父
埼玉県を貫流し、県内随所にその恵みをもたらし、東京湾に注ぐ埼玉の母なる川・荒川。その源流を取り囲むが如くに峻立し、群馬、長野、山梨各県と境を接する、埼玉県内で最も奥まった山域。- 両神山:鋸歯状の山容が目を引く、埼玉を代表する名山★★11/5/3-5
- 二子山(1165.6m):スリルと展望をたっぷり味わう石灰岩の岩山☆☆☆
- 南天山(1483m):急峻なルンゼや岩稜を秘める群馬県境の寂峰☆☆
- 秩父槍ヶ岳(1341m):中津仙境に聳える「埼玉県の山」では最難度の岩峰☆☆☆☆
- 四阿屋山(771.6m):フクジュソウの名所は展望広がる岩山★★11/5/3-5
- 秩父御岳山(1080.5m):静かな尾根道を駅から登り、展望の山頂へ☆☆
- 雲取山(2017.1m):展望広がる東京都の最高峰、埼玉から登る☆☆☆
- 和名倉山(2036.0m):登山道不詳で困難、鈍重膨大な独立峰☆☆☆☆
- 甲武信ヶ岳(2475m):展望と原生林、県内最奥・最高点を巡る山旅★★★13/6/8-9
秩父
現在の秩父市はかって大官郷と呼ばれ、山国・秩父の中心地だったという。荒川の河岸に開けた盆地には、縄文時代からの人跡もあり、日本武尊や秩父庄司畠山重忠にからむ伝説などが多い。秩父34ヶ所の観音霊場は西国33ヶ所、坂東33ヶ所を合わせて日本100観音をなし、秩父夜祭で名高い秩父神社とともに遠方へも及ぶ民間信仰の中心地であった。- 観音山(698.0m):岩屈にひそむ札所の背後に岩峰が聳える山☆
- 般若山・釜ノ沢五峰(590m):スリルと展望が楽しいミニ岩峰を巡る☆☆
- 蓑山(586.9m):雑木林の静かな道を行き、桜で賑わう山頂へ☆
- 武甲山(1295.4m):石灰岩の山肌を日々削られる秩父の名山☆☆
- 琴平丘陵(398.8m):変化に富んだ穏やかな起伏のファミリーコース☆
北秩父
秩父市の北、荒川左岸の山々をこう呼んでいるが、「北武蔵」の呼称もしばしば聞かれる。明治17年、松方財閥による不況に苦しんだ秩父の農民は、隣接する群馬、長野の農民とともに秩父国民党を結成、減税や借金棒引きなどを要求したが聞き入れられず、下吉田の椋神社で武装蜂起。郡役所や警察、高利貸などを襲撃したが、官憲の手により数日で鎮圧、壊滅させられた。世にいう秩父事件だが、この山域は事件の大きな舞台だった。- 御岳山(343.3m):里道歩きと合わせて楽しむ埼玉県最北の山☆
- 鐘撞堂山(330.2m):雑木林の山稜、展望の山頂、ひょうきんな石仏☆☆
- 陣見山(531.0m):歩けば楽しい荒川北岸の地味な山稜☆
- 横隈山よこがいさん(593.6m):古い峠を越えて雑木林の美しい寂峰☆☆
- 長瀞アルプスながとろ(497.1m):雑木林の山稜に和み、ミニ十字峡で道探し☆☆
- 宝登山ほとさん(497.1m):冬こそ楽しい花と展望の山と渓谷☆
- 破風山はっぷさん(626.5m):日帰り温泉を基点に変化溢れるミニ縦走☆☆
- 城峰山(1037.7m):展望と伝説の名峰、マイカー利用で手軽に登頂☆
- 父不見山ててみえずやま(1047m):山麓の生活を支える群馬県境の山☆