Home
Last modified: Sat Jun 27 21:18:36 1998
■ 文庫別作品群
- 角川文庫編
- 講談社文庫編
- 新潮文庫編
- 異常の太陽
殺人事件の被害者の息子が描いた、異常な絵を見た刑事が犯人を割り出すが、意外な結末に・・・。堅牢な構成と創意にみちた力作7編。
- 致死海流
黒潮にのって運ばれてきた若い女性の死体と、八丈富士の山麓で発見された女性の他殺死体、ほぼ同時期に発生した二つの事件を結ぶ糸をさぐっていくうちに、犯人と目される男も殺され、その奥に、巧緻な完全犯罪が浮かび上がってくる。堅牢な密室とアリバイの二重の壁で鎧われた三つの殺人事件−−−本格ミステリーの最もオーソドックスなトリックを駆使して読者に挑戦する書き下ろし長編。(1978.6光文社初出、1979.11新潮文庫)
- 悪しき星座
地方銀行支店で発覚した4億5千万円の横領事件。疑惑の女史行員は死体で発見されたが大金も共犯者の影も見いだせなかった・・・。
- 魚葬
- 腐食花壇
- 凶学の巣
(1980.9〜10小説新潮、1981.9新潮社単行本この時「官僚は落日を見て」《1981.6小説新潮》を並録)
- 新・新幹線殺人事件
博多発ひかり116号が名古屋駅に到着直後、グリーン車の座席で男が前のめりにくずおれた。その乗客は胸部を鋭利な刃物で刺され、すでに死んでいた。”走る密室”の殺人はどのようにして可能だったのか。警察が捜査を始めるうち、東京から博多に単身赴任している男のわびしい生活のまわりに掘られたおそるべき陥せいが浮かび上がる。満を持して放つトレイン・ミステリーの最高傑作パートU。(1985.9小説新潮、1986.12新潮社、1988.1新潮文庫)
- 文春文庫編
- カリスマの宴
- 死紋様
秘密売春組織の女が殺された。現場の足跡は”ビル荒らし”犯人のものと一致する。しかし苦労の末に逮捕した男の供述は・・・。(1978.1〜2オール読物、1979.7文芸春秋から単行本この時中編「盗死者」を並録)
- 致死家庭
- 暗渠の連鎖
- 死海の伏流
超一流ホテルの美貌のソーシャル・ディレクター八切美樹子が、厚木の山の中で陵辱され、殺された。その妹亜希子は文芸編集者。ある日受け取ったさし絵を見て驚愕する。そこにはありありと姉の顔が描かれていた。謎は謎を呼び、新たな殺人、容疑者の失踪が相次いだ−−−現代日本の水面下の状況を抉る傑作推理。(1986.4オール読物、1989.12文春文庫)
- 暗黒星団
- 刺客の花道
吉良上野介の用心棒であった剣の達人・朽木主膳は、赤穂浪士の討ち入りに居合わせず、武士の面目を失った。その後、奇妙な縁から、闇の小吉と名乗る男のはなしにのり、賭場の用心棒にありつく。が、小吉の意図は、主膳を刺客に仕立てるにあった。江戸の闇の底辺、死に場所をもとめ這いまわる刺客の姿を、壮絶な筆致で描く異色作!(1987.9〜1988.6オール読物、1988.10文芸春秋単行本)
- 集英社文庫編
- 魔性ホテル(通勤快速殺人事件内収録?)
- 失われた岸壁
- 死の軌跡
『剥がされた仮面』:証券会社の経理部に勤める原田京子の死体が発見されたのは、中央線沿線の韮岡だった。走査線上に浮かんだのは、同じ証券会社の腕利きのセールスマン岩本始である。だが、彼には鉄壁のアリバイがあった。不動のアリバイのまえに刑事たちは手も足も出ない。しかし、不可能な犯行を可能にするトリックの謎が、一冊の「時刻表」のなかに・・・。本格アリバイ崩しの切れ味鋭い、鉄道ミステリーの傑作4編を収録!『殺意の接点』、『浜名湖東方15キロの地点』および『歪んだ空白』(1988.3集英社文庫)
- 地屍
- 社鬼
この作品集にはサラリーマンのさまざまなミステリードラマを集めた。表題作の『社鬼』は、会社の鬼といわれた部長が、定年退職後、人生の拠り所を失って急速にボケていく過程を描いたものである。・・・サラリーマンにとって会社を選ぶということは、自分の生き方を選ぶのとほぼ同じである。・・・この作品集は、会社と人間の相克や矛盾の中にサラリーマン人生を追跡する。他に五編収録、埋没社員、殺意の逆流、蟻の競争、出向エリート自殺事件、静かなる発狂。(1989.2集英社文庫)
- 光文社文庫編
- 青春の反旗(虹にたてる反旗)
自分は捨て子!実の親への怨念を抱き、家財を処分して単身上京した洋介は、全財産を空き巣に奪われた。世間への復讐に燃えた彼は近くの豪邸の愛犬誘拐を企て、まんまと成功。エスカレートする一匹狼・洋介の野望。そんな彼の前に美少女と謎の人物があらわれた! この世に反旗を翻す一人の男を描く、ピカレスク・ロマン(悪漢小説)傑作。(1986.1、1990.4光文社文庫)
- 頚文社文庫編
- 復讐の跫(あしおと)
藤木武男と中沢栄子の関係は続いていたが、他の女を好きになった彼は、栄子の存在をうとましく思い始めた。密かに殺害計画を企て、着々と準備を進めた彼だったが、決行の日に目にしたものは、彼女の死体だった!?男の身勝手さと女の徹底した底意地の悪さが醜く絡み合う「”自殺”殺人事件」「あるOLの復讐」、「無能の真実」、「接伴社員”まき”の復讐」、「ゴマメの復讐」および「姦の毒」の秀作六編を収録したミステリー集。(1991.3ケイブンシャ文庫)
■ 森村誠一略歴
- S8 1933年
1月埼玉県熊谷市に生まれる。
- S33 1958年 25歳
青山学院大英文科卒業後、ホテル・ニューオータニなどのホテルマンを経験する。
- S41 1966年 34歳
『不良社員群』を「F6セブン」に発表。初の連載物となる。
- S42 1967年 35歳
『大都会』(処女作)、『幻の墓』を発表。
- S43 1968年 35歳
『銀の虚城(ホテル)』、9月『分水嶺』を青樹社に発表。
- S44 1969年 36歳
『虚無への道標』、『むごく静かに殺せ』、8月、『高層の死角』を発表。『高層の死角』で江戸川乱歩賞受賞、状況設定のスケールの大きさと優れた現代性が話題。
- S45 1970年 37歳
短編『科学的管理法殺人事件』、『虚構の空路』、『挫折のエリート』、8月『新幹線殺人事件』を「カッパ・ノベルス」に発表。
- S46 1971年 38歳
6月短編『精神分析殺人事件』を「小説サンデー毎日」に、10月短編『睡眠術殺人事件』を「別冊小説宝石」に、短編『麻薬分析殺人事件』を「別冊小説新潮」に、11月短編『精神分裂殺人事件』を「オール読物」に、『東京空港殺人事件』、『密閉山脈』、『腐食の構造』を「サンデー毎日」(S47完結)に、『白昼の死線』(短編集:わなの偽証、結婚株式会社、小説代理業、あるエリート部長の蒸発、草原の悪魔、異次元の夜)を発表。
- S47 1972年 39歳
『日本アルプス殺人事件』、1月『鉄筋の畜舎』を「週刊現代」(12月完結)に、6月『真昼の誘拐』を「週刊小説連載」(8月完結)に、10月短編『児童心理殺人事件』(原題「殺意の虚像」)を「小説宝石」に発表。
- S48 1973年 40歳
『暗黒流砂』を「週刊ポスト」(S49完結)に、『鍵のかかる棺』を「週刊新潮」に発表。10月『恐怖の骨格』を講談社から、『腐食の構造』で推理作家協会賞を受賞。
- S49 1974年 41歳
1月、『黒魔術の女』を「小説宝石」(5月完結)に、『指名手配』を「赤旗日曜版」(12月完結)に、4月『虹へのパスポート』を「ヤングレディ」(S50.1完結)に、7月『夕映えの殺意』を「問題小説」(11月完結)に、12月『空洞の怨恨』(短編集:二重死角/鈴蘭の死臭/集合凶音/密閉島/崩落した不倫/空洞の怨恨)を「小説現代」に発表。
- S50 1975年 42歳
1月『花の骸』を「週刊現代」(9月完結)に、4月『黒い墜落機(ファントム)』を「宝石」(12月完結)に、10月『虫の楼閣』を「週刊ポスト」(S51.8完結)に、11月『歪んだ空白』(短編集:歪んだ空白、殺人環状線、企業特訓殺人事件、被殺の錯誤、人間解体祖母為女の犯罪)を青樹社から発表。
- S51 1976年 43歳
『青春の証明』(S52完結)、1月『誘鬼燈』をオール読物(2月完結)に、短編『連鎖寄生卷族』を「小説宝石」に、6月短編『殺意を曵く凶虫』を「小説宝石」に、8月『米ソ大平原特急』を日本交通公社刊単行本に、9月『凶水系』を「週刊小説」(S52.4完結)に、短編『神風の殉愛』を「小説新潮」に、10月短編『溯死水系』を「小説現代」に、12月短編『凶原虫』を「小説現代」に発表。
- S52 1977年 44歳
『野生の証明』、『異型の白昼』、『白の十字架』、5月短編『雪の蛍』を「小説宝石」に、9月『通勤快速殺人事件』(短編集:通勤快速殺人事件、魔性ホテル、団地殺人事件、愛社精神殺人事件、醜い高峰)をカドカワノベルに発表。
- S53 1978年 45歳
『カリスマの宴』、1月『夢の虐殺』(短編集:夢の虐殺、高燥の墳墓、派閥抗争殺人事件、侵略夫人、殺意の造型《ヘアー》、人間溶)を青樹社から単行本に、『死紋様』を「オール読物」(2月完結)に、5月『致死春属』を「週刊現代」(12月完結)に、6月『致死海流』を光文社文庫に、発表。
- S54 1979年 46歳
3月『盗死者』を「オール読物」(4月完結)に、5月『火の十字架』を「野生時代」(10月完結)に、6月『死定席』を角川文庫に、11月『凶通項』をカッパノベルスに発表。
- S55 1980年 47歳
1月『青春の源流』を「週刊現代」(S58.11完結)に、3月、『太陽黒点』を講談社に、『灰の十字架』(のちに『黒の十字架』と改題)を「野生時代」(10月完結)に、6月『致死連盟』を講談社に、9月、『凶学の巣』を「小説新潮」(10月完結)に、発表。
- S56 1981年 48歳
6月『官僚は落日を見て』を「小説新潮」に、11月『悪魔の飽食』をカッパノベルスに、『異型の深夜』を「週刊サンケイ」(S57.11完結)に、
- S57 1982年 49歳
2月『神より借りた砂漠』を「小説現代」(5月完結)に発表。
- S58 1983年 50歳
『真説忠臣蔵』、1月『ピラミッド社会の底辺から』を講談社文庫に、10月『異型の廣野』を「野性時代」(S59.8完結)に発表。
- S59 1984年 51歳
『忠臣蔵』(S61完結)を発表。
- S60 1985年 52歳
『初恋物語』、『青春の神話』、『新オリエント殺人事件』、『銀河鉄道殺人事件』、『暗黒星団』を、1月『螺旋状の垂訓』を講談社に、5月『社賊』を講談社に、9月『新・新幹線殺人事件』を「小説新潮」に発表。
- S61 1986年 53歳
『虹色の青春祭』、『黒い神座』(S62完結)、1月『青春の反旗(虹にたてる反旗)』を、6月『死海の伏流』を「オール読物」に、11月『君に白い羽根を返せ』に発表。
- S62 1987年 54歳
6月『恋人関係』をカドカワノベルスに、12月『雲海の鯱』を「野性時代」に、発表。
- S63 1988年 55歳
3月『死の軌跡』(鉄道ミステリーの傑作4編:剥された仮面、殺意の接点、浜名湖東方15キロの地点、歪んだ空白《S50.11》)を集英社文庫に、
- H1 1989年 56歳
2月『社鬼』(短編集)を集英社文庫に、3月『超高層ホテル殺人事件』を光文社文庫に、9月『背徳の詩集』を講談社に発表。
- H3 1991年 58歳
3月『復讐の足音』(短編集:”自殺”殺人事件、あるOLの復讐、無能の真実、接伴社員”まき”の復讐、ゴマメの復讐)をケイブンシャ文庫に発表。
Home | Top