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エリック・ドルフィー
エリック・ドルフィー(Eric Dolphy、1928年6月20日 - 1964年6月29日 )は、ジャズのバスクラリネット、アルト・サックス、フルート奏者。アメリカ合衆国ロサンゼルス生まれ。卓越した技巧と独特のアドリブフレーズで知られる。それまでクラシックにおいて使用されるのが主だったバスクラリネットをジャズの独奏楽器として用いたことは、後のジャズ奏者に多大な影響を与えた。彼の独特な音楽観から、時にフリー・ジャズに分類されることもあるが、基本的には音楽理論に則りアドリブを展開していくスタイルである。1958年チコ・ハミルトン楽団に参加。その後チャールズ・ミンガス楽団に加わる。同時にソロ活動も開始した。1961年にトランペット奏者ブッカー・リトルとの双頭コンボを組むも、同年10月のリトルの急逝で頓挫。1961年〜62年まで、ジョン・コルトレーンのグループに参加し、1964年には再びミンガス楽団に加わった。糖尿病による心臓発作のため、ベルリンにて他界。遺品となったバスクラリネットとフルートは、ドルフィーの両親からコルトレーンに贈られた。代表作には『アウトワード・バウンド』『アウト・ゼア』『アット・ザ・ファイブスポットvol.1&2』『アウト・トゥ・ランチ』『Other Aspects』『ラスト・デイト』などがある。サイド・マンとしても多くのすぐれた演奏を残した。チャールズ・ミンガスの『ミンガス・プレゼンツ・ミンガス』オーネット・コールマンの『フリー・ジャズ』オリバー・ネルソンの『ブルースの真実』ジョージ・ラッセルの『エズゼティックス』などがある。(Wikipedia)
- Outward Bound (1960/4/1)
- Charlie Mingus / PreBird (1960/5/25)
- The Oliver Nelson Sextet / Screamin' the Blues (1960/5/27)
- Out There (1960/8/15)
- Far Cry [+1] (1960/12/21)
- Ted Curson / Plenty of Horn (1961/4)
- Mal Waldron/ The Quest (1961/6/27)
- Eric Dolphy at The Five Spot, Vol. 1 (1961/7/16)
- Eric Dolphy at The Five Spot, Vol. 2 (1961/7/16)
- Eric Dolphy in Europe, Vol. 1 (1961/9/8)
- Eric Dolphy in Europe, Vol. 2 (1961/9/6, 8)
- John Coltrane / Impressions (1961/11/5)
- The Eric Dolphy Memorial Album (1963/7/1, 3)
- Out To Lunch (1964/2/25)
- Last Date (1964/6/2)
Outward Bound (1960/4/1)
- G.W (E.Dolphy) 7:54 [as]
- On Green Dolphin Street 5:42 [bcl]
- Les (Dolphy)w 5:11 [as]
- 245 (Dolphy) 8:04 [as]
- Glad to Be Unhappy (Rodgers, 1936) 5:26 [fl]
- Miss Toni (Dolphy) 5:40 [bcl]
Charlie Mingus / PreBird (1960/5/25)
- Take the "A" Train (Billy Strayhorn) 3:34
- Prayer for Passive Resistance (C.Mingus) 3:49
- Eclipse (C.Mingus) 3:45
- Mingus Fingus No.2 (C.Mingus) 3:22
- Weird Nightmare (C.Mingus) 3:35
- Do Nothin' Till You Here from Me (Bob Russell-D.Ellington) 3:33
- Bemoanable Lady (C.Mingus) 4:32
- Half-mast Inhibition (C.Mingus)8:12
The Oliver Nelson Sextet / Screamin' the Blues (1960/5/27)
- Screamin' the Blues (O.Nelson) 10:58
- March on, March on (Esmond Edwards) 4:59
- The Drive (Nelson) 5:47
- The Meetin' (Nelson) 6:41
- Three Seconds (Nelson) 6:23
- Alto-Itis (Nelson) 4:58
Out There (1960/8/15)
- Out There (E.Dolphy) 6:52 [as]
- Serene (E.Dolphy) 7:00 [bcl]
- The Baron (C. Mingus) 2:54 [bcl]
- Eclipse (Mingus) 2:47 [cl]
- 17 West (Dolphy) 4:50 [fl]
- Sketch of Melba (Randy Weston) 4:40 [fl]
- Feathers (H.Smith) 5:00 [as]
Far Cry [+1] (1960/12/21)
- Mrs.Parker of K.C. (Bird's Mother)(Jaki Byard) 8:01
- Ode to Charlie Parker (Jaki Byard) 8:42
- Far Cry (E.Dolphy) 3:53
- Miss Ann (E.Dolphy) 4:15
- Left Alone (Waldron-Holiday) 6:40
- Tenderly (Gross-Lawrence) 4:18
- It's Magic (Styne-Cahn) 5:38
- Serene (E.Dolphy) 6:38*
* additional track not on original LP
Ted Curson / Plenty of Horn (1961/4)
- Caravan (Mills-Ellington-Tizol) 2:54
- Nosruc Waltz (T.Curson) 6:21
- The Things We Did Last Summer (Cohn-Styne) 4:25
- Dem's Blues (Curson) 3:41
- Ahma(See Ya) (Curson) 4:22
- Flatted Fifth (Curson) 3:34
- Bali-Hai (Hermmerstein II-Rodgers) 3:57
- Antibes (Curson) 5:05
- Mr.Teddy (Curson) 5:12
Mal Waldron/ The Quest (1961/6/27)
- Status Seeking 8:52 [as]
- Duquility (M.Waldron) 4:08 [as]
- Thirteen (Waldron) 4:42 [as]
- We Diddit (Waldron) 4:23 [as]
- Warm Canto (Waldron) 5:37 [cl]
- Warp and Woof (Waldron) 5:36 [as]
- Fire Waltz (Waldron) 7:58 [cl]
Eric Dolphy at The Five Spot, Vol. 1 (1961/7/16)
- Fire Waltz (M.Waldron) 13:30 [as]
- Bee Vamp (B.Little) 13:00 [bcl]
- The Prophet (E.Dolphy) 21:20 [as]
Eric Dolphy at The Five Spot, Vol. 2 (1961/7/16)
- Aggression (B.Little) 16:38 [bcl]
- Like Someone in Love (Van Heusen-Burke) 19:25 [fl]
Eric Dolphy in Europe, Vol. 1 (1961/9/8)
- Hi fly (Randy Weston) 12:30 [fl]
- Glad to be unhappy (Rodgers-Hart) 8:10 [fl]
- God press the child (Herzog-Holiday) 6:55 [bcl]
- Oleo (Rollins) 7:36 [bcl]
Eric Dolphy in Europe, Vol. 2 (1961/9/8)
早いものでドルフィーが物故してから、半世紀近く経ってしまいました。本作の日本語ライナーは岩浪洋三さんが記されていますが、その中で64年に来日していたカーメン・マクレエから彼の死を知らされたそうです。それから3年後、再びコルトレーンの急逝を知らされ、モダンジャズも終わったかのようなショッキングな感じをもったそうです。この2人の死は関係がないようでいて、何処かで繋がっています。2人はしばしば共演し、お互いに尊敬しあい、お互いに影響しあったと云います。そして残念ながら志半ばで逝ってしまったのも、共通しています。神子アイサさんからコメントを戴いていたので、今日も続けてドルフィーをターンテーブルに乗っけてみました。(2010/03/11 23:07)
Side A:
- Don't Blame Me (McHugh-Fields) 11:13 [fl]
- The Way You Look Tonight (Kern-Fields) 9:31 [as]
- Miss Ann (Dolphy) 5:42 [as]
- Laura (Mercer-Raksin) 13:51 [as]
A1"Don't Blame Me"は、フルートによるバラード吹奏。ライブ(コペンハーゲン)にしては、ちょっと異色のオープニングですが、3部作の真ん中からの紹介なので仕方ありません。演奏自体は素晴らしく、特にドルフィーのフルートは最高。いかにもライブらしい雰囲気の中、無伴奏ソロで始まります。ベースとドラムスが入ってテーマ演奏になる訳ですが、抒情的な雰囲気に耽っているうちにピアノが入ってきて、アドリブ・パートに突入します。テーマ部は必要最低限の音数で、そしてアドリブ展開では一転して細かいフレージングでというのがドルフィーのパターンです。続いてピアノとベースのソロですが、コペンハーゲンの地元民なのか名前を知らない人達です。今回も聴いていて3人共、悪くなかったりします。A2"The Way You Look Tonight(今宵の君は)"では、早いテンポでアルトによりテーマ吹奏がなされた後、目くるめくようなアドリブに突入します。続いてピアノ、再びアルトに戻ると太鼓との激しいソロ交換があって、本作での熱気は頂点を迎えます。
B2"Miss Ann"も、いいですな。いきなりドルフィーの素晴らしいアルトソロで始まります。演奏時間はライブにしては短めなんですが、その分アドリブ・パートは全てが凝縮されている感があります。25度の焼酎のように、お湯で薄めてちょうどいい位の感じです。B2"Laura"、名曲です。長いです。その長きにわたって、ドルフィーの熱情は途切れません。途中、ベント・アクセンのソロがあるので一度途切れるんですが、ドルフィーの緊張感はそのソロの間も張り詰めています。ピアノ・ソロが終わるのを待ちきれないように飛び出してくるドルフィー。テーマに戻った後に繰り広げられるカデンツァも凄い!
The Eric Dolphy Memorial Album (1963/7/1, 3)
- Jitterbug waltz (Waller-Manners-Green) 7:05 [fl]
- Music matador (Lasha-Simmons) 9:05 [bcl]
- Alone together (Dietz-Schwartz) 13:30 [bcl-b duo]
- Love me (Young-Washington) 3:25 [as solo]
Out To Lunch (1964/2/25)
ドルフィーと云えば「馬のいななき」と形容されまして、訳のわからんプレイで人気のアルト奏者です。私の場合、ドルフィーをどれか1枚ということになれば、本作は間違っても出さないのですが、たまたま先週末アフターヌーン・コンサートに寄った帰りに、このアルバムを看板代わりにしたお店に寄ったので久々にターンテーブルに乗っけてみました。パーカー派アルトの中で、マクリーンやソニー・クリスあたりをお昼の定食だとすれば、私にとってドルフィーという人は粉チーズを溢れるほどかけたナポリタンに相当する訳ですが・・・。(2010/03/09 22:26)
Side A:
- Hat and bard (E.Dolphy) 8:23 [bcl]
- Something sweet, something tender (E.Dolphy) 8:03 [bcl]
- Gazzelloni (E.Dolphy) 7:20 [fl]
- Out to lunch (E.Dolphy) 12:08 [as]
- Straight up and down (E.Dolphy) 8:20 [as]
A1"Hat and bard(帽子とヒゲ)"、曲名も変わっていますが、今聴いても斬新で意表を突いたサウンドで始まり、変拍子でテーマが吹奏されます。ドルフィーのオリジナルで、彼はバスクラを手がけベースと太鼓、そしてヴァイブの繰り出す自由奔放な鋭いリズムに対抗していきます。ハバードの切り裂くようなラッパも魅力、そしてヴァイブのメカニカルなサウンドに何回聴いても惹きこまれそうです。A2"Something Sweet, Something Tender"は、バラード。これもというかアルバムの全てがドルフィーのオリジナルですが、A1と同じくバスクラで吹奏されます。この楽器はサキソフォーンよりも音域が広いせいか、それを利用した目眩くような感じのオープニングのソロが魅力です。A3 "Gazzelloni"、ここでは、バップ的なテーマがフルートで展開されます。
B1"Out to Lunch"、タイトルチューンになりますが、トニーの切れ味鋭い太鼓に導かれて、溌剌としたテーマ吹奏がなされて、ドルフィーがアルトでソロを展開、音の空間を自由に飛翔していく感じが圧巻です。続いてハバード、ハッチャーソンも似た傾向のソロを展開します。B2"Straight Up and Down"では、昼食のために外出しながらも軽く一杯引っ掛けてしまったせいか、ほろ酔い気分で昼下がりの古町の裏通りを歩いているような気分が横溢したテーマです。ハードバップを毎日聴いていて久々に取り出すと、ジャケットを含め全てが新鮮に感じます。
Last Date (1964/6/2)
- Hat and bard (E.Dolphy) 8:23 [bcl]
- Something sweet, something tender (E.Dolphy) 8:03 [bcl]
- Gazzelloni (E.Dolphy) 7:20 [fl]
- Out to lunch (E.Dolphy) 12:08 [as]
- Straight up and down (E.Dolphy) 8:20 [as]