ホーム > オムニバス

オムニバス

↑top

beat takeshi and bluenote 2cd

Hub_Cap_%28album%29.jpg
Source:Wipipedia 2023/8/27

disc 1:

  1. Pee Wee Marquette / Announcement 0:57
  2. Art Blakey Quintet / Split Kick 8:34
    original Album: A Night At Birdland Volume 1
  3. Jimmy Smith / Lover Man 7:26
    Original Album: Groovin' At Smalls' Paradise Volume 2
  4. Horace Parlan / Stella By Starlight 6:04
    Original Album: Movin' & Groovin'
  5. Dexter Gordon / Broadway 6:46
    Original Album: Our Man In Paris
  6. Thelonious Monk / Misterioso 3:23
    Original Album: Genius Of Modern Music Volume 1
  7. Abdrew Hill / Verne 5:48
    Original Album: Smokestack
  8. Cecil Taylor / Tales (8 Whisps) 7:13
    Original Album: Unit Structures
  9. Eric Dolphy / Straight Up And Down 8:23
    Original Album: Out To Lunch
  10. Sam Rivers / Fuchsia Swing Song 6:03
    Original Album: Fuchsia Swing Song
  11. Joe Henderson / Recorda-Me 6:03
    Original Album: Page One
  12. Mark Shim / Recorda Me 7:19
    Original Album: Turbulent Flow
  13. Booker Ervin / Harlem Nocturne 4:20
    Original Album: Booker 'N' Brass
disc 2:
  1. Grant Green / Let The Music Take Your Mind 8:28
    Original Album: Alive!
  2. Lee Morgan / Ceora 6:24
    Original Album: Cornbread
  3. Wayne Shorter / Yes Or No 6:38
    Original Album: JUJU
  4. Jackie McLean / Sweet Love Of Mine 6:06
    Original Album: Demon'S Dance
  5. Elvin Jones / Brite Piece 4:49
    Original Album: Merry Go Round
  6. Julian Cannonball Adderley / Dancing In The Dark 4:07
    Original Album: Somethin' Else
  7. Lou Donaldson with The Three Sounds / Just Friends 5:11
    Original Album: LD+3
  8. Wynton Marsalis / Just Friends 17:54
    Original Album: Live At The House Of Tribes
  9. Sheila Jordan / Laugh, Clown, Laugh 3:12
    Original Album: Portrait Of Sheila
  10. Norah Jones / Sunrise 3:22
    Original Album: Feels Like Home
  11. Cassandra Wilson / The Weight 6:09
  12. Thelma Aoyama & Gen Okuda / Asakusa Kid 4:12
    New recording for this album: 青山テルマ Vocal, 奥田 弦- piano, Recorded by Mitsuyasu Kaneko at Sony Music Studio Tokyo on August 12, 2013
たけしの青春時代を彩ったジャズ 27選 『たけしとジャズ』 (2011年) は、 発売されるや予想も期待も遥かに超 える大反響を呼ぶことになった。 特筆すべきは、 たけしが青春時代を過ごした1960年代後半から70年代にかけ ての《新宿ジャズ文化》など、全く知らない若者リスナーたちから「第2弾が待ち遠しい」 「たけしのジャズをもっ と知りたい、聞きたい」というリクエストが多く寄せられたことだろう。 本人いわく「こんな選曲は許せねーっ て思った人もいるんだろうけど、 気持ちいいなあって感じてくれる人が結構いたって聞いて、 なんか、良かった なあって」。

珍しく素直に喜ぶビートたけし (あるいは北野武) が、 そこにいた。 とはいえ、リスナーの熱き想いに応える“第 2弾企画の構想”など、まるで無かったと言う。 「レコード会社の人がさ、 次はこんなのでどうでしょう? って、第2弾の企画書みたいなのと、 資料をどっさり 持って来たんだよ。 勝手に “ブルーノート特集” ってなっててさ。 なんだこれ?って思ったけど、 しょーがねー なーって色々見たり、聞いたりしてるうち、 またこんなのができちゃった」

かくして千年に1度の歴史的な猛暑日が続く2013年の夏のある日ジャズ界にもまた歴史的(=極めてた けし的)なコンピレーション・アルバム『たけしとブルーノート」が誕生した。 選曲された24曲 (ボーナス・トラッ クの「浅草キッド (English Version)」は除く)を、ざっと聞きながら資料を読み込んでいくと、ノラ・ジョーンズ やカサンドラ・ウィルソンなど“今のブルーノートを語るアーティスト" の楽曲まで組み込まれていることに驚かされる。「ノラ・ジョーンズってさ、あのシタール奏者の第一人者ラヴィ・シャンカールの娘なんだってね。 そんな子が、 ブ ルーノートからジャズ・シンガーとして出てきたってだけでもビックリしたけど、 やってる曲も果たしてこれは ジャズなのか!? って、ちょっとショックを受けたなぁ。そういう意味ではさ、カサンドラ・ウィルソンて人の〈ザ・ ウェイト〉って曲を聞いた時、 どっかで聞いた曲だなあって思ったら、 ボブ・ディランと一緒にやってたザ・バン ドの曲だったんだよね。 ロックをこんな風にジャズにしちゃうって、面白いなー、 すげーなーって。 でもさ、よくよ く考えてみると、ブルーノートのすごさって、 昔からそうだけど、常にこういう新しい物を生み出しているところ にあるっていうか、そういう部分に対しての貪欲さが独特の世界観を生んできたんだろうなぁって」

今ではジャズの老舗レーベルとして名を馳せる“ブルーノート”。1939年1月、NYでジャズ・マニアのドイツ人 青年アルフレッド・ライオンにより設立されたこのレーベルは、幾度の経営危機にさらされながらも、 たけしの言 う通り“新たな物を生み出す” 姿勢を崩すことなく、果敢に挑み続けることで、 みごとな “再生” を繰り返してきた。

ちなみに、たけしが新宿のジャズ喫茶でボーイのアルバイトを開始した1967年(昭和42年/アルバイトは5年 間続いた)まで、ブルーノートは日本でのプレスを認めていなかったため、輸入盤でしか手に入らなかった。 その 値段は、平均して1枚 3,000円 (当時は1ドル=360円)ほど。 コーヒー1杯が50円、 新卒サラリーマンの初任給が 24,000円、たけしのボーイの日給が500円という時代だけに、 とても高価な物として扱われていた。 おのずと当時 のジャズ喫茶には、この高価で貴重なブルーノート目当ての客が押しかけたとも聞いている。「俺ね、資料見ながらブルーノートっていったら、 まずジャケットに衝撃を受けたことを思い出した。 とにかく惹き こまれた。 それまで自分がレコード屋で見てきた北島三郎とか加山雄三とかさ、 日本の音楽のそれとは全然違っ てた。モノトーンの写真に鮮やかな色を大胆に載せてたり、タイトルの文字にも独特のデザインがほどこされて あったりして、格好いいなぁ、センスいいなあって、店でブルーノートのレコードを手にするたびに感動してた。 だから、今回選曲したアート・ブレイキー、セロニアス・モンク、それにエリック・ドルフィー、うーん、リー・モーガ ンとか、あっ、これ! 忘れちゃいけないキャノンボール・アダレイとかはさ、ジャケットと共にメロディーが蘇っ てくるっていうのがあんの。ほら、このジョー・ヘンダーソンのジャケットなんて見てみろっていうの。 こんな位 置に写真があって、 すげーなぁ、これ! って思っちゃうじゃない」

たけしがジャズ喫茶で手にしたブルーノートのレコードの大半は、 “音” のみならず“ジャケット・デザイン”も含 めて 《名盤》と呼ばれる物だった。 モノクロのジャケット写真はブルーノートの創設者アルフレッド・ライオンの盟 友(幼なじみでレーベルの管理部門の責任者) フランシス・ウルフが撮り下ろし、 グラフィック・デザインは新進気鋭 のリード・マイルスが担当した。 1950年代前半から60年代前半に発表されたブルーノートのアルバム (1500~4000 番台前半)のほぼ全てを彼ら2人が手がけ、 より完成度の高いアルバム = 《名盤》を次々と生み出していくことにな る。そしてこの時、ブルーノートは 《黄金期》 を迎える。 ジャズが刻むリズム、 奏でるメロディー、醸し出す空気、 紡ぎ 出される世界観 ・・・そんな “ジャズの全てが格好良かった時代” を、たけしは毎日ジャズ喫茶で触れていた。 つまり、た けしの体には無意識のうちに “格好いいジャズの感覚” が沁みこんでいる、と言えなくもない。 それは思わぬ形で現 れる。前作のライナーノーツでも紹介したが、 北野映画にまつわる“たけしとジャズ”の物語を、今回またひとつ聞く ことができた。

「ジャズのアルバムってさ、ジャケットもそうなんだけど、タイトルもシンプルで格好いいのが多いんだよね。 『サム シン・エルス』 とか、 『カインド・オブ・ブルー』 (マイルス・デイヴィスが1959年にコロンビア・レコードから発表した アルバム)とか、ほんとにセンスいいなあって思っててさ、〈ソー・ホワット〉 (前出マイルス・デイヴィスのアルバムの中の楽曲名)なんて、真面目に映画のタイトルにしちゃおうとしたけど、 森さん(プロデューサー/森昌行氏)に “それ、まんまじゃないですか” って一蹴されちゃって。 だったら、 『8月の毛沢束』とかどうだって言ってみたけど、 これもダメだった。 俺はジャズのタイトルみたく格好良くて、なんか意味を考えちゃいそうな感じで、 いいなあって思ったんだけど ?????? うん、ダメだった」

けれども今ここに、たけしの作ったタイトルが、 そして楽曲が、 なんとジャズの歴史に刻まれることになった。 あの名曲「浅草キッド」がジャズにアレンジされ、奥田弦のピアノをバックに青山テルマが英語で歌いあげる 「浅 草キッド (English Version) 」 が本作品にボーナストラックとして新たに収録された。「青山テルマちゃんはね、散々ネタにして面白がってきちゃったから、歌ってもらうっていう企画を聞いた時に は、そりゃ絶対に無理だなって思ったの。 それなのに、なんかふたつ返事で気持ちよく引き受けてくれたって ・・・こんなにありがたいことはないねって。 よくぞ、やっていただけました。 涙が出るほど感謝感激でございます。はい」

こうして『たけしとブルーノート』は完成の日を迎えた。 そんな最後の最後の機会に、今更ながら基本的な疑問 が頭を過っていった。 前作の『たけしとジャズ』 然り、本作『たけしとブルーノート』の選曲は、いったいどこで、どんな形で行われていたのか。「選曲!? うーん、音楽はね、ほとんど移動中の車とか飛行機の中で聞いてんの。 昼も夜もずっとね。 だから、今回 の『たけしとブルーノート』 に限って言えば、俺の感覚で気持ちいいなぁって思った曲を、誰のどのアルバムとか 関係なしに、どんどん選んでいったの。それを昼と夜に分けてみたっていう。 だから“こんなのブルーノートじゃねぇ”って言う人も必ずいるはずで、そういうリアクションも期待した上で、こんなのいかがでしょう? って。こんなブルーノートを喰らえっ!って感じかな」

なるほど。『たけしとブルーノート』は、前作『たけしとジャズ』 を凌駕する“極めてたけし的な格好良さ “と、なにが出てくるかわからない“驚き”に満ちた、唯一無二のブルーノート・コンピレーション・アルバムの誕生となった、 とは言い過ぎだろうか。 それはやはり、ある意味で“歴史的”なジャズ・アルバムを、 たけしが生んだと言わずにはいられない私がいたりする。

新村千穂(2013年8月)

↑top

JAZZ TIME(赤盤)

「ジャズ・タイム」は東芝EMI、ユニバーサル、ビクターの3社が合同で企画したモダン・ジャズのコンピレーション3点セット。東芝盤は『青盤』、ユニバーサル盤は『白盤』で、ビクターから発売の本作は赤盤。これら3社が所有する音源を全部自由に使えるとあって、その内容は文字通りモダン・ジャズの名曲集。本作の場合、『ディッピン/ハンク・モブレイ』からの<1>からスタート、ビル・エヴァンス・トリオ1961年のヴィレッジ・ヴァンガード・ライヴ<2>、アストラッド・ジルベルトの素朴な歌声をフィーチャーしたスタン・ゲッツの名演<3>と続き、そのあとモダン・ジャズの金字塔ともいえるソニー・ロリンズの<4>で大いに盛り上がり、チェンジ・オプ・ペースでナット・キング・コールのソフトな歌声<5>が聴こえるという構成。全13曲入ってるが、数えてみると半分以上の曲が他社音源ではないか。まさにレーベルを超越したモダン・ジャズの精選集であり、その魅力があますことなくここに集められている。(市川正二)
  1. リカード・ボサ・ノヴァ(ハンク・モブレー)
  2. ワルツ・フォー・デビイ(ビル・エヴァンス)
  3. コルコヴァード(スタン・ゲッツ,ジョアン&アストラッド・ジルベルト)
  4. セント・トーマス(ソニー・ロリンズ)
  5. アンフォゲタブル(ナット・キング・コール)
  6. 枯葉(キャノンボール・アダレイ・フィーチャリング・マイルス・デイヴィス)
  7. 朝日のようにさわやかに(M.J.Q.)
  8. 縁は異なもの(ダイナ・ワシントン)
  9. ソング・フォー・マイ・ファーザー(ホレス・シルヴァー)
  10. ワーク・ソング(ナット・アダレイ)
  11. ブラック・コーヒー(ペギー・リー)
  12. コートにすみれを(ジョン・コルトレーン)
  13. イエスタデイズ(クリフォード・ブラウン)
CD (2002/10/25)、レーベル: ビクターエンタテインメント、収録時間: 75 分
↑top

JAZZ TIME(白盤)

「ジャズ・タイム」は東芝EMI、ユニバーサル、ビクターの3社が合同で企画したモダン・ジャズのコンピレーション3点セット。東芝盤は『青盤』、ビクター盤は『赤盤』で、ユニバーサルから発売の本作は白盤。冒頭の<1>はオスカー・ピーターソンの人気作『プリーズ・リクエスト』からのナンバー。続くウエス・モンゴメリーの<2>はウイントン・ケリーと共演した1965年のハーフノートの実況盤から。ここに聴かれるウエスのオクターヴ奏法はほんとにカッコいい。「ジャズ・タイム」シリーズ3作は、モダン・ジャズの魅力に焦点にあてた企画なので、その音源は50~60年代に集中している。その中でも白盤は、あらためてその時代のジャズがいかに充実していたか肌で感じることができる内容だ。チェット・ベイカーのしゃれた歌と演奏、躍動感みなぎるクリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・クインテットの熱演、ジョン・コルトレーンの叙情的なバラード、ハービー・ハンコックのファンキーな演奏と、ここにはジャズの楽しさと魅力がぎっしり詰まっている。サッチモの<13>はモダン・ジャズとはちょっと違う気もするが、この人は別格的な存在なので、これもありだ。(市川正二)
  1. コルコヴァード(オスカー・ピーターソン)
  2. フォー・オン・シックス(ウェス・モンゴメリー)
  3. イパネマの娘(スタン・ゲッツ&アストラッド・ジルベルト)
  4. マイ・ファニー・ヴァレンタイン(チェット・ベイカー)
  5. ジョードゥ(クリフォード・ブラウン)
  6. 朝日のようにさわやかに(ウィントン・ケリー)
  7. ルート66(ナット・キング・コール)
  8. セイ・イット(ジョン・コルトレーン)
  9. ウォーターメロン・マン(ハービー・ハンコック)
  10. マイ・フーリッシュ・ハート(ビル・エヴァンス)
  11. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ(ヘレン・メリル)
  12. オレオ(マイルス・デイヴィス)
  13. この素晴らしき世界(ルイ・アームストロング)
  14. クール・ストラッティン(ソニー・クラーク)
  15. ラウンド・ミッドナイト(セロニアス・モンク)
CD (2002/10/25)、レーベル: ユニバーサル ミュージック クラシック、収録時間: 76 分
↑top

JAZZ TIME(青盤)

「レーベルを超えた史上最強のジャズ・コンピ」というキャッチフレーズは大げさでもなんでもない。マイルスを筆頭に、コルトレーン、ロリンズ、ウエス・モンゴメリー、ビル・エヴァンス、バド・パウエル、ジャズ・メッセンジャーズ、MJQ、アート・ペッパーと、人気アーティストの代表的演奏が、これでもかこれでもかと続く。 好きな1曲にじっくりと耳を傾けるのもいいし、頭から順に聴いてモダン・ジャズの魅力にどっぷりと浸るのもいい。こういう作品はこれからジャズを聴こうという人に最適のガイドとなるが、ここに入っているような演奏はみんな持っているよ、というジャズ・ファンでも、こういうふうに盛りつけされると、それはそれで、いままでとはまた違った味わい方ができて楽しいはず。たとえば人気曲の「朝日のようにさわやかに」は『白盤』ではウイントン・ケリー、『赤盤』ではMJQ、本作ではソニー・クラークの演奏で聴けるとあって、その違いを味わうことができる。(市川正二)
  1. モーニン(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)
  2. マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ(ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン)
  3. クレオパトラの夢(バド・パウエル)
  4. アルフィーのテーマ2(ソニー・ロリンズ)
  5. マイ・ファニー・ヴァレンタイン(マイルス・デイビス)
  6. バードランドの子守唄(サラ・ヴォーン)
  7. 枯葉(ビル・エヴァンス)
  8. レフト・アローン(マル・ウォルドロン)
  9. バット・ノット・フォー・ミー(チェット・ベイカー)
  10. 朝日のようにさわやかに(ソニー・クラーク)
  11. 夢のカリフォルニア(ウエス・モンゴメリー)
  12. ジャンゴ(M.J.Q.)
  13. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ(アート・ペッパー)
  14. スターダスト(ナット・キング・コール)
  15. ワーク・ソング(キャノンボール・アダレイ)
CD (2002/10/25)、レーベル: EMIミュージック・ジャパン、収録時間: 78 分
↑top


Last modified: Sun, 27 Aug 2023 11:46:49 +0900
inserted by FC2 system