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リー・モーガン
リー・モーガン (Edward Lee Morgan, 1938年7月10日 - 1972年2月19日)は、ジャズのトランペット奏者。アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。子供の頃から神童と呼ばれたハード・バップの代表的トランペッター。1956年にディジー・ガレスピー楽団(1956年10月-1958年2月)に在籍し、その年には早くもブルーノートから『Lee Morgan indeed!』でデビューし、その艶やかな音色からクリフォード・ブラウンの再来とも呼ばれた。1957年3月24日にレコーディングされたアルバム『Lee Morgan Vol.3』の中の「アイ・リメンバー・クリフォード」の演奏で高い評価を得た。
- Indeed! (1956/11/4)
- Introducing (1956/11/5)
- Hank Mobley / Hank Mobley Sextet (1956/11/25)
- Lee Morgan S[]xtet (1956/12/2)
- Lee Morgan, Vol. 3 (1957/3/24)
- Johnny Griffin / A Blowing Session (1957/4/5)
- Jimmy Smith / The Sermon (1957/4/25, 58/2/25)
- City Lights (1957/8/25) 2023/8/8*
- John Coltrane / Blue Train (1957/9/15)
- The Cooker (1957/9/29)
- Candy (1958/2/2)
- Hank Mobley / Peckin' Time (1958/2/9)
- Tina Brooks / Minor Move (1958/3/16)
- Art Blakey / Moanin' (1958/10/30)
- Art Blakey / Au Club Saint-German (1958/11/21)
- Art Blakey / At The Jazz Corner of The World Vol.1 (1959/4/15)
- Wynton Kelly / Kelly Great (1959/8/12)
- Curtis Fuller / The Curtis Fuller Jazztet with Benny Golson (1959/8/25)
- Here's Lee Morgan (1960/2/3)
- Art Blakey / The Big Beat (1960/3/6)
- The Young Lions (1960/4/25)
- Lee-Way (1960/4/28) 2023/8/8*
- Art Blakey / Meet you at the jazz corner of the world Vol. 1(1960/9/14)
- Hank Mobley / No Room For Squares (1963/10/2)
- The Sidewinder (1963/12/21)
- Search for the New Land (1964/2/15) 2023/8/8*
- The Rumproller (1964/4/9, 21)
- Wayne Shorter / Night Dreamer (1964/4/29)
- Hank Mobley / Dippin' (1965/6/18)
- The Gigolo (1965/6/25, 7/1)
- Cornbread (1965/9/18)
- Hank Mobley / A Caddy for Daddy (1965/11/18)
- The Last Session (1972/5) 2023/8/8*
Indeed! (1956/11/4)
聴いているレコードは、リー・モーガン(Lee Morgan, 1938-72)の初リーダー・アルバム。ウルフの写真、マイルスによるジャケット・デザインの中で、中身の演奏とともに私のお気に入りの1枚。モーガンの写真は妙にオデコでちょん切られており、これ以上のトリミングが出来ないところまでカットされている。写真を良く見ると円らな瞳が、若干18歳だったという事実を示しているかのようだが、演奏自体は小憎らしいほどの自信に満ち溢れている。(2009/09/21 12:41)
source: wikipedia 2023/8/8
Side A:
- Roccus (H.Silver) 8:18
- Reggie of Chester (B.Golson) 4:55
- The Lady (Owen E.Marshall) 6:47
- Little T (D.Byrd) 8:23
- Gaza Strip (Owen E.Marshall) 3:56
- Stand By (B.Golson) 5:51
それは凛々しいとか力強さだけでなく、緩急自在の曲調への対応、さらに印象的なフレーズを織り交ぜたイソロ、ジャケ写と同じで不必要なところがない。そして緊密なコラボを展開するアルトのクラレンス・シャープは、モーガンと同じフィラデルフィアの出身。本作以外に名前を聞かないが、パーカーの影響を受けているのは確実。バックのリズム・ラインを縫いながら絶妙な間を取りつつ出入りするソロも素晴らしい。ホレス・シルバー他のバッキングが、若い2人のフロントを上手に盛り立てているという印象だ。
A面最初のトラック"Roccus"は、ホレス・シルヴァーのマイナー、ラティン調ナンバー。しょっぱなからモーガンの圧倒的で卓越した技巧と、歌うフレージング、そしてシリヴァー自身のソロも良い。次のトラックは、いかにもベニー・ゴルソン作らしい"Reggie of Chester"、ゴルソンは本作には参加してないがB面最後の"Stand By"と併せてアレンジを依頼されていたという。"Roccus"と同様にしょっぱなからモーガンが圧倒的なソロを聴かせる。シャープが中途半端なソロを終えたあとは、品良くシルバーが続いて短く終わる。次のとろけるようなバラッド"The Lady"、力強さと優しさの両方を内包した吹奏は素晴らしい。途中からダブルテンポになるが、抑制が効いておりとても18歳の青年とは思えない。後半、シルバーにソロが続くがモーガンに負けている。
B面ではモーガンの長いソロに続いて、ウェアのうねるようなランニングベースが最高にカッコいい"Little T"、輸入盤CDでは別テイクが追加されているらしいが未だ聴いてない。やはりテーマ吹奏部分のユニゾンの不揃い感はあるのだろうか。"Gaza Strip"では、シャープの悠々と流れ落ちるような滝のような音の波の中から、浮かび上がるフレーズが溜まらない。続くモーガンとの間に、シルバーのソロが入るが若い2人のために控え目だ。最後のトラック"Stand By"では、シルバーの品の良いソロの後、シャープとモーガンのコラボレーションは佳境に入る。この2人がもっと共演盤を残しておいてくれたらと思うのは、私だけだろうか。
Introducing (1956/11/5)
- Hank's Shout (Mobley) 7:00
- Nostalgia (Navarro) 8:47
- Bet (Watkins) 7:50
- Softly, As in a Morning Sunrise (Hammerstein, Romberg) 2:29
- P.S. I Love You (Jenkins, Mercer) 4:22
- Easy Living (Robin, Rainger) 2:49
- That's All (Haymes & Brandt) 2:44
Lee Morgan Sextet (1956/12/2)
Side A:
- Whisper Not (Golson) 7:22
- Latin Hangver (Golson) 6:46
- His Sister (Owen Marshall) 6:35
- Slightly Hep (Golson) 6:27
- Where Am I (Golson) 5:49
- D's Fink (Owen Marshall) 7:42
A1はゴルソンの名曲、"Whisper Not"。その初演、除幕式的プレイが、本作での注目すべき3点目だ。他のトラックはいささか平凡なので、このオープニングに早くも5つ星を与えたいほどだ。奥ゆかしいテーマを吹奏するトランペット、テナー、アルトの3ホーン。そこへ気負って躍り出る、ミュートをつけた若武者モーガンのラッパ。仕立てたばかりの背広に、初めて腕を通した感覚だ。紅顔の18歳、怖さ知らずの快演!続いてロジャース、モブレー、シルバーがソロを展開するが、やはりモブレーのプレイが異彩を放っている。A2 "Latin Hangver" もゴルソンのオリジナルで、タイトル通りラティンリズムによるコール・ポーターの"I Love You"をベースにした曲。A3 "His Sister" では、19歳のロジャースの煌くようなソロが聴きものだ。
B面側も最初の2つのトラックは、ゴルソンのオリジナル。B1 "Slightly Hep" で盛り上げた後、B2 "Where Am I" は、メランコリーなバラード、ラストのB3 "D's Fink" は、マーシャルの作品。ファンキー色がほのかに香る名作だ。全体的には、やっぱりモブレーが素晴らしい。
Lee Morgan, Vol. 3 (1957/3/24)
- Domingo (Golson)
- Hasaan's Dream (Golson)
- I Remember Clifford (Golson)
- Mesabi Chant (Golson)
- Tip Toeing (Golson)
Jimmy Smith / The Sermon (1957/4/25, 58/2/25)
source: wikipedia 2023/8/8
- The Sermon (J.Smith) 20:11
- J.O.S (J.Smith)
- Flamingo (Grouya-Anderson) 8:00
City Lights (1957/8/25)
source: wikipedia 2023/8/8
- City Lights (Golson) 5:46
- Tempo de Waltz (Golson) 6:24
- You're Mine You (Green, Heyman) 6:03
- Just by Myself (Golson) 9:24
- Teru (W.Shorter) 6:12
- Kin Folks (Gryce) 9:42
The Cooker (1957/9/29)
- A Night in Tunisia (Gillespie-Robin)
- Heavy Dipper (Morgan)
- Just One of Those Things (Porter)
- Lover Man (Ramirez)
- New-Ma (Morgan)
Candy (1958/2/2)
そろっとホワイトディだから、本アルバムを紹介するわけではないのだけど・・・。http://jazzjazz777.12.dtiblog.com/blog-entry-81.html
- Candy (David-Whitney-Kramer) 7:01
- Since I Feel for You (Johnson) 5:35
- C.T.A (Jimmy Heath) 5:04
- All the Way (Cahn-Van Heusen) 7:22
- Who Do You Love I Hope (Berlin) 4:57
- Personality (Burke-Van Heusen) 6:11
Tina Brooks / Minor Move (1958/3/16)
source: wikipedia 2023/8/8
- Nutville (T.Brooks) 8:50
- The Way You Look Tonight (J.Kern-D.Fields) 10:42
- Star Eyes (Gene De Paul-Don Roye) 8:13
- Minor Move (T.Brooks) 6:40
- Everything Happens to Me (M.Dennis-T.M.Adair) 6:10
Wynton Kelly / Kelly Great (1959/8/12)
source: wikipedia 2023/8/8
- Wrinkles (Kelly) 8:06
- Mama "G" (Shorter) 7:39
- June Night (Friend-Baer) 8:20
- What Know (Morgan) 8:00
- Sydney (Shorter) 3:56
Curtis Fuller / The Curtis Fuller Jazztet with Benny Golson (1959/8/25)
source: wikipedia 2023/8/8
- It's Alright with Me (C.Porter)
- Arabia (C.Fuller)
- I'll Walk Alone (Styne - Kohn)
- Judy's Dilemma (C.Fuller)
- Wheatleith Hall (D.Gillespie)
Here's Lee Morgan (1960/2/3)
Side A:
- Terrible "T" (Morgan) 5:18
- Mogie (Morgan) 7:45
- I'm Fool To Want You (Wolf-Herron-Sinatra) 5:37
- Running Brook (Shorter) 6:05
- Off Spring (M.Jackson) 6:12
- Bess (Morgan) 6:27
モーガン、ジョーダン、ケリー、チェンバース、ブレイキーという、まさにモーガンが絶頂期に録音された1枚、サイドマン達も豪華な顔ぶれで申し分なし。A1、"Terrible 'T'"は、モーガンのオリジナル。ファンキーな感じの曲で、モーガン、ジョーダン、ケリーと黒人ジャズの魅力に溢れた作品。続くA2、"Mogie"も、モーガンのオリジナル。AABAの32小節構成の曲で、モーガンはバリバリ吹きまくる。「1回だけのプレイじゃ、満足出来ないわ。激しいプレイの後には優しくね。」という方には、A3、"I'm A Fool To Want You"を♪ミュートで情緒たっぷりにモーガンが歌い始め、ジョーダンの重厚でメロウなテナーが展開。ケリーの叙情的なピアノタッチが続く。
B1、"Running Brook"は、モーガンとJMで一緒だったウェイン・ショーターのオリジナル。ファンキーから一歩抜け出した、新しい雰囲気をもった曲である。B2、"Off Spring"は、ヴァイブのミルト・ジャクソンのオリジナル。ピアノのイントロに導かれて、ジョーダン、モーガン、ケリーの順でソロが展開されるが、やはりモーガンのソロが聴きものだ。最後のB3、"Bess"は、再びモーガンのオリジナル。テーマ部分のアンサンブルが面白い。6曲中3曲がモーガンのオリジナルというのも画期的で、後の、全編オリジナルで固めた勝負作"Sidewinder" で全開する、ヒップでスマートな個性が芽生えつつある。
The Young Lions (1960/4/25)
数年前に山歩きを再開したころ、干支の山というのが流行っていて、未年(ひつじどし)の山が全国的にも4山と少なかったのを憶えている。幸い新潟県には未上ケ岳(1,553m)があって、雪融けを待って登ったことがあった。今年の干支、「寅」の名を冠した山を調べると、栃木県宇都宮に寅巳山(446m)があった。日光東照宮から寅巳(東南東)の方向にあることからの命名らしい。「虎」の名に因んだ山は結構あるようなのに、これは珍しい山名。宇都宮から日光街道を走って、旧今市との境界にある里山で、付近の住宅地から踏み跡があるようだ。登山の対象にはなりにくい山のようだ。でも今年は賑わうかもしれない。(2010/01/02 22:27)
Side A:
- Seeds of Sin (Shorter) 5:41
- Scourn' (Shorter) 5:50
- Fat Lady (Timmons) 4:55
- Peaches and Cream (Shorter) 6:43
- That's Right (Morgan) 11:25
さて、ジャズで寅年に因んだアルバムはあるのだろうか。ウェブをレビューしても、ハードバップ期には無いようである。リー・モーガンに「ヤング・ライオンズ」というのがあった。寅年に因んでいささか飛躍するが、同じ哺乳綱食肉目ネコ科の動物である、ライオンPanthera leoをジャケ写にした表題作をとりあげる。アルバム・タイトルがグループ名を兼ねていて、リーダーは明記されてないが、実質的にショーターのリーダー・アルバムとみていいようだ。先ず吹き込みメンバーをみると、モーガン(21歳)、ショーター(27歳)、ストロージャー(22歳)、ティモンズ(24歳)、クランショー(27歳)、ヘイズ(22歳)、そしてヒース(24歳)と若い。
吹き込みが行われたのは60年4月、名前の後のカッコ内に吹き込み当時の年齢を記した訳だが、この時期のハードバップ・アルバムに共通して云えるように新鋭揃いである。この顔ぶれの半分、ショーター、モーガン、ティモンズは当時のJMのメンバーであり、この半年後くらいに来日している。このセッションの演奏曲目は、全てオリジナル、3曲はショーター、そしてティモンズ、モーガンが各々1曲づつ出し合っている。A面1曲目"Seeds of Sin(罪のタネ)"はショーターのオリジナル、3本のホーンによるテーマ吹奏から、アドリブに入るがショーターの伸び伸びしたプレイが良い。モーガンも21歳とは思わせない、おませなソロを展開する。
2曲目"Scourn'(スカールン)"もショーターのオリジナル、いきなり彼のテナーでテーマ吹奏がなされた後、モーガンの短いソロを経てストロージャー、中々音色が美しい。3曲目"Fat Lady"はティモンズのオリジナル、彼のピアノ序奏からフロント3管によるファンキーなテーマ吹奏、ショーター、モーガン、ストロージャー、ティモンズの順で、アドリブ・ソロが展開される。ラストは、3管の夫々のソロを太鼓との4バース・チェンジを経て合奏で結んでいる。B面側の紹介は、前置きの調査に時間を要し過ぎてしまったので、後で追記したい・・・。
Lee-Way (1960/4/28)
source: wikipedia 2023/8/8
- These Are Soulful Days (Massey) 9:25
- The Lion and the Wolf (Morgan) 9:40
- Midtown Blues (McLean) 12:09
- Nakatini Suite (Massey) 8:09
The Sidewinder (1963/12/21)
- The Sidewinder (L.Morgan) 10:27
- Totem Pole (L.Morgan) 10:17
- Gary's Notebook (L.Morgan) 6:08
- Boy, What A Night (L.Morgan) 7:34
- Hocus-Pocus (L.Morgan) 6:25
Search for the New Land (1964/2/15)
source: wikipedia 2023/8/8
- Search for the New Land (Morgan) 15:45
- The Joker (Morgan) 5:04
- Mr. Kenyatta (Morgan) 8:43
- Melancholee (Morgan) 6:14
- Morgan the Pirate (Morgan) 6:30
The Rumproller (1964/4/9, 21)
source: Wikipedia 17/3/5
- The Rumproller (Hill) 10:29
- Desert Moonlight (Motgan) 9:26
- Eclipso (Morgan) 6:56
- Edda (Shorter) 7:23
- The Lady (Stevenson) 7:34
The Gigolo (1965/6/25, 7/1)
source: wikipedia 2023/8/8
- Yes I Can No You Can't (Morgan) 7:23
- Trapped (Morgan) 5:57
- Speedball (Morgan) 5:29
- The Gigolo (Morgan) 11:00
- The Gigolo (alternate take) 10:01*
- You Go To My Head (J.F.Coots-H.Gillespie) 7:18
Lee Morgan, tp; Wayne Shorter, ts; Harold Mabern, p; Bob Cranshaw, b; Billy Higgins, ds; Jun. 25 & Jul. 1, 1965, NJ / Cap. CDP-7-84212-2 (BN.)
Cornbread (1965/9/18)
南部料理に必ずといっていいほど一緒についてくるコーンブレッドは、見渡す限りとうもろこし畑が広がるアメリカ南部らしい一品だ。Wikipediaで、"soul food"という項目があってアフリカ系アメリカ人に関する事柄を指すのに"soul"という言葉がよく用いられるようになったのは、60年代半ば頃らしい。高温多湿のアメリカ合衆国南部はコムギよりもトウモロコシの栽培に適していることから、トウモロコシで作ったパンが発達した。重曹とベーキングパウダーで膨らませた、ケーキ風のパン。リー・モーガンは、ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。アフリカ系アメリカ人が雇用の乏しい南部の農村部から北部の工業地帯に移住するにしたがい、ソウルフードも人と共に移動したと私は考える。(2009/12/15 22:37)
- Cornbread (Morgan) 9:00
- Our Man Higgins (Morgan) 8:50
- Ceora (Morgan) 6:20
- Ill Wind (Koehler-Arlen) 7:55
- Most Like Lee (Morgan) 6:45
いっぽう、モーガンはご承知のとおり、子供の頃から神童と呼ばれたハード・バップの代表的トランペッター。その艶やかな音色からクリフォード・ブラウンの再来とも呼ばれた。特に57年3月24日にレコーディングされたアルバム"Lee Morgan Vol.3"の中の"I Remenber Clifford"の演奏で高い評価を得た。"The Sidewinder"以来のジャズ・ロック・スタイル。新主流派路線、ボサ・ノヴァ風のオリジナル、そしてファンキー・スタイル。そんなリー・モーガンの、ヴァラエティに富んだスタイルが聴かれるアルバムだ。唯一、唄ものの"Ill Wind"以外は、全てモーガンのオリジナル。マクリーン、モブレー、ハンコックといったメンバーも魅力。パッと聞いた印象、モーガンのリーダー作なのかハンコックのリーダー作なのか判らないほど圧倒的で、でかすぎるハンコックの存在もあったりする。新しい何かへのアプローチとか問題提起といった肩の張ったところはなくて、軽くいなしたようなところが何ともモーガン的だ。歌心溢れるモーガンを堪能できる愛すべき小作品集といえるだろう。
その他の曲もなかなか聞き応え満載で、ボサ・リズムの"Ceora"も心地良い。ジャッキー・マクリーン、ハンク・モブレィ、ハービー・ハンコック、ラリー・リドレー、ビリー・ヒギンスといったBN常連メンバーがバックをつける。本作だけの話ではないが、この頃のハービー・ハンコックのバッキングは神懸ってると思う。そしてヒギンズの力強く飛び跳ねるようなドラミングがたまらない"Our Man Higgins"や、ほわ〜んと癒される"Ceora"、前述のスタンダード・ナンバー"Ill Wind"もあり、タイトル・トラックに負けず劣らずだ。軽快でグルーヴィな"Most Like Lee"なども、楽しめるトラックだ。曲の配列がよく、流れるように聞ける出来栄えなので肩肘張らずリラックスしたい時なんかには、うってつけの一枚かも知れない。一音一音に魂がこもってるぐらい神がかりな初期モーガンもいいが、アイデアに光るものが沢山ある後期モーガンもオススメだと思う。本作でのコーンブレッドとの関連をうまく整理できなかったが・・・。
The Last Session (1972/5)
source: wikipedia 2023/8/8
- Capra Black (Harper) 15:31
- In What Direction Are You Headed? (Mabern) 16:29
- Angela (Merritt) 6:24
- Croquet Ballet (Harper) 10:51
- Inner Passions Out (Waits) 17:36