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藤純子

富司 純子(ふじ すみこ、1945年12月1日 - )は、日本の女優・司会者。血液型O型。和歌山県御坊市出身。旧芸名は藤 純子(ふじ じゅんこ)。本名は寺島 純子(てらしま じゅんこ)、旧姓は俊藤(しゅんどう)。父は俊藤浩滋、夫は七代目尾上菊五郎、長女は寺島しのぶ、長男は五代目尾上菊之助。2007年(平成19年)に紫綬褒章受章。(以下は、タイトル、日本語題名、製作年、役名)
  1. 八州遊侠伝 男の盃 (1963年) - お千代
  2. 柳生武芸帳 剣豪乱れ雲(1963年) - 登世
  3. 日本侠客伝#1 (1964) おふみ
  4. 竜虎一代 (1964年) - 松橋雪子、2023/2/14録(東映ch)
  5. 日本侠客伝#3 関東篇 (1965/8) 光子
  6. 昭和残侠伝#3 一匹狼 (1966年) - 桂木美枝、2023/2/10録
  7. 日本侠客伝#4 血斗神田祭り (1966) 花恵
  8. 日本侠客伝#5 雷門の決斗 (1966) 中川千沙子
  9. 日本侠客伝#6 白刃の盃 (1967/1) 大林弓子、大五郎の娘、健さんとの関係は中途半端
  10. 日本侠客伝#7 斬り込み (1967/9) お京
  11. 昭和残侠伝#4 血染めの唐獅子 (1967年) - 風間文代、2023/2/11録
  12. 人生劇場 飛車角と吉良常 (1968/10) おとよ
  13. 緋牡丹博徒 - 緋牡丹のお竜(矢野竜子)
    1. 緋牡丹博徒(1968/9)2023/2/17録(日本映画専門ch)
    2. 緋牡丹博徒 一宿一飯 (1968/11)2023/3/6録
    3. 緋牡丹博徒#3 花札勝負 (1969/2) 2023/3/7録
    4. 緋牡丹博徒 二代目襲名 (1969/4)2023/3/8録
    5. 緋牡丹博徒 鉄火場列伝 (1969/10)
    6. 緋牡丹博徒 お竜参上 (1970/3)
    7. 緋牡丹博徒 お命戴きます (1971/6)
    8. 緋牡丹博徒 仁義通します (1972/1)
  14. 日本女侠伝シリーズ
    1. 日本女侠伝#1 侠客芸者 (1969/7) 信次
    2. 日本女侠伝#2 真赤な度胸花 (1970/1) 松尾雪
    3. 日本女侠伝#3 鉄火芸者 (1970/8) 小しず
    4. 日本女侠伝#4 血斗乱れ花 (1971/4) 平野てい
    5. 日本女侠伝#5 激斗ひめゆり岬 (1971/11) 与那嶺ゆり
  15. 昭和残侠伝#5 唐獅子仁義 (1969年) - おるい、2023/2/11録
  16. 日本侠客伝#10 昇り龍 (1970/12) お京
  17. 博奕打ち 流れ者(1970年) - 小秀、2023/2/10録(東映ch)
  18. 昭和残侠伝 死んで貰います(1970年) - 幾江、2023/2/12録(東映ch)
  19. 女渡世人 おたの申します (1971/7) 太田まさ子
  20. 関東緋桜一家 (1972/3) 鶴次
  21. あ・うん (1989) 水田たみ
  22. 解夏 (2004) 高野聡子
  23. フラガール (2006/9) 谷川千代
  24. 犬神家の一族 (2006/11) 犬神松子 ※長男・尾上菊之助 (5代目)と共演
  25. 眉山 (2008) 河野龍子、TVドラマ
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八州遊侠伝 男の盃 (1963年)


Source:昔の映画を見ています 2023/3/2

『八州遊侠伝 男の盃』(はっしゅうゆうきょうでん おとこのさかずき)は、1963年の日本映画。主演:片岡千恵蔵の「国定忠治もの」の一作品である。監督:マキノ雅弘。(Wikipedia) 2023/3/19

監督:マキノ雅弘 ?出演:片岡千恵蔵 | 千葉真一 | 藤純子 ...more(allcinema)

「人生劇場 飛車角」の直居欽哉と「向う見ずの喧嘩笠」の山崎大助が共同で脚本を執筆、「いれずみ半太郎」のマキノ雅弘が監督した股旅もの。撮影は「変幻紫頭巾」の三木滋人。(KINENOTE)

東映の大スター・片岡千恵蔵が、訳ありで謎多き旅がらすを演じた股旅もの。時代劇の定番の国定忠治ものの1作で、名匠・マキノ雅弘監督に見出された藤純子が、記念すべき女優デビューを果たす注目作。国定忠治処刑の噂が流れて1年。上州磯部温泉では、非情で悪名高い地元やくざの松五郎一家が祭礼を仕切るべく画策していたが、亡夫が忠治に仕えていたお志乃(鳳八千代)が女中として働く旅籠に身を寄せる源次(片岡千恵蔵)が立ち上がる。(日本映画専門ch)

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柳生武芸帳 剣豪乱れ雲(1963年)


Source:東映ch 2023/3/2

1961年から1964年にかけ、近衛十四郎主演により東映製作(1961年のみニュー東映)で映画化され、9作品が公開された。「柳生一番勝負 無頼の谷」と「十兵衛暗殺剣」はどちらも原作者は五味康祐ではないため、本来ならば同一主人公の別作品と言うことになるが、東映は2作品ともシリーズに含めている。山根貞男は東宝版が原作通りに霞の多三郎・千四郎兄弟を主人公にしているのに対し、東映版が十兵衛を主人公にしていること等から、「正しくは『近衛十四郎による柳生十兵衛』シリーズというべきかもしれない」と評している。(Wikipedia)

この作の松方弘樹は公卿飛鳥井時光を演じて、その柄が合って颯爽とした武者ぶりが中々好い。”一葉浮水の構え”を父から受け継いで御前試合にも出場する藤純子も健気さがあって良かった。その一方で“寒夜に霜を聞く太刀”の山田浮月斎(山形勲)が余り格好良くなくて、十兵衛の“無刀取り”との対決も、刀を両断する山田浮月斎の剣に対して鍛えた鉄扇で対抗するというラストが、理が勝ちすぎて余り面白いモノではなかった。(allcinema)

三代将軍家光の治世。京の朝廷で俊秀の名も高い青年公卿飛鳥井時光は、幕府創設期の三十三年前、反徳川の公卿らが行方不明になった事実を知るや、家康が指令したに違いないこの暗殺事件を明るみに出し、幕府の弱味を押えようと考えた。そしてこの暗殺者−−柳生一門の四人の剣客の名は“柳生武芸帳”なるものに記してありそれはその四人・柳生石舟斎、柳生新次郎、佐々木左内ともう一人“寒夜に霜を聞く太刀”を使う謎の剣客のうちの誰かに伝わっているはずであった。時光はこの証拠の武芸帳を、柳生打倒を叫ぶ疋田陰流の使い手山田浮月斎の協力で手に入れようとする。他方、柳生家の危機をさとった独眼の剣豪柳生十兵衛も一門の但馬守、青年剣士兵庫ともに必死の働きを示す。左門の娘登世、一葉浮水の構えの使い手登世が住む伊勢の佐々木家や尾州の柳生家で、柳生一統と山田浮月斎の一味は激突するが、発見された武芸帳は、乱世の最中、急変した飛鳥井時光の手に入る。時光を追う十兵衛は、そこへ現れた浮月斎と対決、“寒夜に霜を聞く太刀”の謎の男と知り驚く一瞬、太刀をはね折られ、時光をとりにがしてしまった。勅使として江戸に着いた時光は、武芸帳を将軍家光につきつけ、幕府の朝廷優遇を確約させた。勅使歓迎の御前試合で、登世、兵庫らも活躍するが、十兵衛対浮月斎の試合は吹上御苑の木立ちの奥で真剣勝負となり、ついに十兵衛の“無刀取り”が、浮月斎の“寒夜に霜を聞く太刀”を破ったのだった。(KINENOTE)

幕府の待遇に恨みを持つ青年公卿が、柳生武芸帳を盾に十兵衛ら柳生一門に迫る。人気時代劇シリーズ第7作。青年公卿・飛鳥井大納言時光は、予てより幕府の朝廷冷遇に反感を抱いていたが、柳生武芸帳が幕府の暗殺指令書であることを知り、武芸帳を入手し、柳生家の素性を暴くことを決意する。一方、十兵衛は柳生の危機を悟り、武芸帳を探すが、宿敵・疋田陰流山田浮月斉が立ちはだかる。原作は五味康祐の小説。(東映ch)

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緋牡丹博徒(1968/9)


Source:amazon 2023/2/18

第1作『緋牡丹博徒』(1968年9月14日公開)監督:山下耕作、脚本:鈴木則文、出演:藤純子、高倉健(特別出演)、若山富三郎、待田京介、大木実、山本麟一、若水ヤエ子、金子信雄、清川虹子、山城新伍、他(Wikipedia)

当時23歳の藤純子の凛とした力強さと美しさ。ストイックな高倉健、待田京介・山本麟一といった脇の上手さ(というかこの二人生涯ヤクザ映画にしか出ていない)等々 東映任侠物なんてと避けていましたが、意外や意外面白かった。当時大ヒットしたことが納得できる娯楽作。(allcinema)

九州の博徒、矢野組の組長、矢野は一人娘の竜子をどこに出しても恥ずかしくない、まっとうな娘にと手塩にかけて育てた。その甲斐もあり、竜子は堅気の男との縁談がまとまっていた。しかし、矢野が闇討ちに会って死ぬと、結婚も破談になった。竜子は一家を解散し、父の亡骸のそばに落ちていた財布を手掛かりに、犯人を探す旅に出る。竜子が全国津々浦々の賭場を流れ歩くうち、いつしか五年の歳月が過ぎていた。明治十八年の晩春、すでに“緋牡丹のお竜”の異名をとっていた竜子は、岩国のある賭場で胴師のイカサマを見破る。いざこざに巻き込まれた竜子は旅の博徒、片桐に助けられた。片桐の人柄に惹かれた竜子は一部始終を打ち明けるが、何故か片桐は無言だった。やがて片桐は立ち去るが、その時には証拠の財布は消えていた。一方、竜子の唯一の子分で矢野殺しの犯人の顔を覚えているフグ新が道後でいざこざを起し、岩津一家と熊虎一家の喧嘩騒ぎにまで発展した。それを知った竜子は早速道後に向う。単身乗り込んだ竜子の気っぷの良さに、大阪堂万一家の女親分、おたかが仲裁に入り、喧嘩は治まる。竜子とフグ新はおたかの勧めで大阪に出て、不死身の富士松の元に身を寄せる。大阪は千成一家二代目の加倉井の勢力下にあった。富士松と約束を交わした芸妓の見受けを巡って、竜子と対した加倉井は、卑劣な手段で彼女を手寵めにしようとするが、そこに片桐が現れる。片桐は加倉井の兄貴分で、竜子の父を殺した犯人は、加倉井だった。だが、片桐は博徒の義理から、弟分の加倉井をかばい、真相を打ち明けなかった。そんな時、犯人の顔を知るフグ新が加倉井に会い、すべてを知る。しかし、そのフグ新は加倉井の部下に斬られ、瀕死の所を片桐に救われる。加倉井は兄弟分の杯を返すと片桐に告げ、片桐も同意する。フグ新は竜子に事の真相を打ち明けると、皆に看取られながら息を引き取る。竜子は不死身の富士松と共に千成組に殴り込む。富士松はダイナマイトを投げつけ、竜子は加倉井と対峙する。そこに片桐が現われ、加勢する。片桐は加倉井と刺し違えて倒れる。瀕死の片桐は竜子に抱かれながら「竜子を人殺しにはしたくなかった」と言い残し、息を引き取った。後日、矢野組再興二代目襲名の口上を述べる竜子の姿があった。(KINENOTE)

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緋牡丹博徒#3 花札勝負 (1969/2)


Source:amazon 2023/3/19

第3作『緋牡丹博徒 花札勝負』(1969年2月11日公開)、監督:加藤泰、脚本:鈴木則文、鳥居元宏、出演:藤純子、若山富三郎、待田京介、清川虹子、小池朝雄、天津敏、山本麟一、汐路章、嵐寛寿郎、藤山寛美、高倉健、他(Wikipedia)

シリーズ3作目にして評価の高い加藤泰監督作。なるほど映像美が凄い。白い息を吐きながら仁義をきる藤純子の凛々しさ、降りしきる雪の美しさ、鉄橋下の汽車の煙など観るべきところは多い。ただ、明治の中頃という時代設定であの手術は現代的過ぎよう。ラストも1人が罪を背負えばすむとは言いながら、あれでは西の丸一家のメンツが立たないし、気持ちも収まるまい(我慢を重ねていよいよという前夜)。高倉健が現れると急になよなよするお竜さんもなんだかなぁ。(allcinema)

明治の中頃。渡世修行を積むお竜は、熊虎親分からの添書を持って、名古屋の西之丸一家へ草鞋を脱いだ。その頃、西之丸一家は熱田神宮大祭の勧進賭博をひかえ多忙をきわめていた。金原一家の組長金原鉄之介は、国会議員の古田と結託し、勧進賭博を仕切る名古屋一の貸元の座を狙っていた。そんな折、お竜は金原一家の賭場で自分の名を名乗る女賭博師お時を捕えた。お時は、盲目の子お君の目を直したい一心にイカサマをやり、金原にその腕を利用されていた。西之丸一家の親分杉山の息子次郎は、金原の義理の娘八重子と恋仲だった。次郎が、八重子との結婚を申し出ると、金原はサイコロで事を決めようと持ちかけ、お時を相手に当らせた。お時は勝負に勝ったものの、人質にされた次郎を、恩を受けたお竜が、探していることを知り、次郎と八重子を逃した。この一件によりお時は斬られ、次郎と八重子はお竜に守られて大阪へ逃げた。金原一家に草鞋を脱いでいる一匹狼の渡世人花岡は、二人を追ったが、お竜から事情を聞いて見逃すのだった。やがて金原一家を尋ねたお竜が監禁された。杉山は勧進元とお竜の命の決着を勝負で決めようと提案。杉山の代人お竜は金原の代人バケ安との一本勝負に勝ったが難癖をつけられ熊虎にその場を救われた。彰吾が金原に杉山を斬り捨てるよう命ぜられたのは、そんな折だった。彰吾は、金原にあいそをつかせていたが、一宿一飯の義理から杉山を斬った。重傷を負った杉山は、勧進賭博の挨拶を終えると息をひきとった。やがて、熱田神宮へ奉納金を修めに行った西之丸一家の代貸久保寺ほか数人が、金原一家に殺され、金も奪われた。お竜の拳銃と彰吾の白刃が金原一家の息の根を止めたのはそれから間もなくのことだった。(KINENOTE)

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緋牡丹博徒 二代目襲名 (1969/4)


Source:KINENOTE(amazon) 2023/3/8

監督:小沢茂弘、脚本:鈴木則文、出演:藤純子、待田京介、高宮敬二、長門裕之、天津敏、小松方正、嵐寛寿郎、遠藤辰雄、清川虹子、高倉健、他(Wikipedia)

監督:小沢茂弘 ?出演:藤純子 | 待田京介 | 広瀬義宣 ...more(allcinema)

明治の中頃。父の死後、渡世修行の旅を続けたお竜は、七年ぶりに故郷熊本へ帰った。その時、元矢野一家の飛車角、常、新入りの大風呂敷、それに道後からは、富士松、清吉が駈けつけ、お竜の念願だった矢野一家が再興された。折しも、筑豊地方に炭田が開発され、遠賀川流域は活況を呈していた。だが、石炭運搬のために、九州の親分衆が請負いの鉄道敷設工事をはじめると、川船業者の激しい妨害にあい、工事を降りる組が相ついだ。そんな中で、お竜の叔父川辺は、仕事の続行をお竜に託し世を去った。しかし、川人足の元締の赤不動の勘蔵は、矢野一家にも手荒く迫った。一方、鉄道院では、永久出入りの特典をつけ、完成を急いだ。お竜は、親分衆に励まされ工事完遂に努力したが、宝満一家の荒木田は勘蔵に近づき妨害に出た。だが、勘蔵は狂暴な荒木田のやり口に態度を硬化させ、お竜に工事の協力を申出た。宝満一家は報復手段に出た。お竜が面倒をみている雪江を人質にすると、半次にお竜を殺すよう命じた。半次から訳を聞いたお竜は、サイの目勝負に勝ち雪江を取戻した。それから数日、筑豊鉄道が完成した。そして、お竜の二代目襲名披露が行なわれた。だが、宝満一家は一番列車を転覆させ、手抜き工事を指摘し、現場に向うお竜らを襲った。卑劣な荒木田はやがて、お竜と矢代の活躍に葬られた。(KINENOTE)

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日本女侠伝 侠客芸者 (1969)


Source:東映ビデオ

監督:山下耕作
脚本:野上龍雄
出演:藤純子、桜町弘子、三島ゆり子、時美沙、原良子、大里ひろ子、榊浩子、正司花江、利根はる恵、岡田千代、藤山寛美、中村錦司、田中春男、土田早苗、若山富三郎、高倉健
音楽:木下忠司
撮影:鈴木重平
編集:宮本信太郎
製作会社:東映京都
配給:
上映時間:99分

この手の役を演じるときの健さんて、決して朴念仁ではないんだよね。さっと全体を見回して、事の真相のあらましを理解することのできる男。「俺の惚れた女だ、連れて帰るぜ」なかなか言えない台詞だよ、これは。胆力はもちろん、洞察力にも優れているということだ。一つ考えられるのは、安直な被害妄想に陥らないのは、自我を肥大化させない滅私の美学が貫かれているからかな、と。一般社会の規範に照らし合わせれば、自分勝手とも取られかねない島田(高倉)の行動だけど、男から見ても惚れてしまう。任侠映画って殴り込みの美学だけではないんだよね。 (allcinema)

石炭ブームにわく、明治末期の博多。馬賊芸者と評判高い信次(藤純子)は、男まさりの気っぷと度胸が人気のマトだった。そんな信次に惚れる鉱業会社々長の大須賀(金子信雄)は、士地のやくざの親分万場安次郎(遠藤辰雄)と手を組み、九州一の炭坑主にのし上がろうとしていた。ある日、料亭に遊びに来た花田炭坑の作業員たちを迎えに来た納屋頭の島田清吉(高倉健)に会った信次は、好意を抱いた。

一方花田炭坑をぜひとも手に入れようとする大須賀は、執拗に清吉を口説くが、先代に恩義を感じている清吉は、ガンとして聞き入れない。折から、坂田陸軍大臣歓迎の宴が炭坑主たちの手で開かれ、酒の飲めぬ清吉に代わって、信次は見事に盃を空け、黒田節を舞った。陸軍大臣を見送った後酔いつぶれた信次を清吉が介抱する。信次は信次に恥をかかされた大須賀は、若松港の仲仕組合長松本()を買収し、花田炭坑の石炭積出しをストップさせた。しかし、清吉の誠意に負けた仲仕組合の若い事務員は、組合長の松本を無視して、積出しを約束した。

大須賀は最後の手段として、万場組に命じて、花田炭坑にダイナマイトを仕掛け、三人の作業員が炭坑を守って死んだ。三人の通夜の晩、若松から帰った清吉は、色めく作業員たちをしずめ、必死に止める信次をもふりきって、単身大須賀邸へ向った。そして、万場を倒し、全身血みどろになった清吉は、最後の力をふり絞って、大須賀と差し違えた。大須賀邸に駆けつけた信次は運び出される清吉の亡骸を見る。今日もまた、盛大な宴会が始まる。鏡台の前で紅を塗りつつ大粒の涙を流す信次の姿があった…。(KINENOTE)

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日本女侠伝 真赤な度胸花 (1970/1)


Source:東映ビデオ

監督:降旗康男
脚本:笠原和夫
企画:俊藤浩滋、日下部五朗
出演:藤純子、小沢栄太郎、石山健二郎、山本麟一、小松方正、五十嵐義弘、浅松三紀子、山城新伍、橘ますみ、香川雅人、三島ゆり子、牧淳子、丸平峰子、紅かおる、清水元、中村錦司、天津敏、遠藤辰雄、高森和子、徳大寺伸、村居京之輔、高倉健
音楽:八木正生
撮影:古谷伸
編集:宮本信太郎
製作会社:東映京都
配給:東映
上映時間:94分

同じスタッフ、同じメンツが入れ替わりで作っていた東映・任侠物も見続けていると微妙な楽しみがある。遠藤辰雄(久寿里町の助役)が自分のことを「ボク」と言うのには笑った。似合わねえ〜。藤純子(博労総長の娘・松尾雪)のパンタロン姿(とでも言うのか?)に下ろし髪もねえ…。ラストの殴り込みもガン・アクションで全体的に西部劇風の作り。音楽良。えっとぉ〜監督はぁ〜・・・ひぃ!降旗監督!?あの大巨匠がこんなインチキ西部劇を!?うむむ。人に歴史あり。( ´〜`)(allcinema)

開拓期。北海道札幌。博労総代の松尾兼之助(小沢栄太郎)は、馬市の利権をめぐって、博徒大野金次郎(天津敏)の子分に射殺された。それを目撃した飼子頭の源次(山城新伍)を捕えた大金は、源次を脅迫して博労総代に立てた。一方松尾の番頭七兵衛(石山健二郎)は、兼之助の遺言通り、松尾の一人娘・雪(藤純子)を九州から呼び寄せ、後継者になるように説得したが、雪は断わった。しかし、兼之助の遺書を見て、父の跡をつぐ決心をした。理事会の表決は割れて、黒白をつけるには、行方不明の理事風見五郎(高倉健)の一票が必要になった。木島(高野真二)牧場が大金一家に放火されたのは、そんな頃だった。暴走した馬を追う雪を底なし沼から救ったのは、風見五郎だった。五郎の父周平(徳大寺伸)は昔兼之助と広大な土地をめぐって争い、敗れた周平は、自害したのだった。七兵衛から一切を聞いた雪は茫然とした。そんな時、源次が大金一家から逃れて来た。これを機に松尾派は源次を証人に立て、理事会開催を進めた。一方、大金一家もこれを潰すべく、子分を集めた。源次が大金一家に殺されたのはそんな折だった。数百人の子分を集めた大金は、警察署を占領した。大金一家の悪どいやり方に業をにやした五郎は、恨みも忘れ、雪の正義感に心うたれ助力を申し出た。銃を手にした雪と五郎を先頭に、一同は警察署に殴り込み、激闘の末、大金を倒した。(KINENOTE)

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日本女侠伝 鉄火芸者 (1970/8)


Source:東映ビデオ

監督:山下耕作
脚本:笠原和夫
企画:俊藤浩滋、日下部五朗
出演:藤純子、佐々木愛、弓恵子、伴淳三郎、曽我廼家明蝶、高宮敬二、安部徹、藤岡重慶、藤山寛美、山下義明、毛利清二、古城門昌美、菅原文太、正司照枝、小島恵子、上岡紀美子、榊浩子、玉川良一
音楽:木下忠司
撮影:古谷伸
編集:宮本信太郎
製作会社:東映京都
配給:東映
上映時間:100分

子供のころ見ず知らずの通りすがりの男から受けた恩が忘れられず、十年たった今でもその男のために操を立て通している辰巳芸者小しず(藤純子)が、その男小林勇吉(菅原文太)にあったのは、年に一度行なわれる羽織会の留めを毎年勤めていた先輩仇吉(弓恵子)に代わり、自分が内定したことを、小しずが父親のように慕う米問屋浅井喜一郎(曽我廼家明蝶)に報告しにいった時のことだった。勇吉は浅井のもとで荷揚げの組頭として働いていたが、やくざ、刑務所とすさんだ生活を渡り歩いて来た勇吉には小しずの記憶はなかった。一方、仇吉の旦那で米穀業・安川重平(安部徹)は義心会の総長竹上や政界の黒幕と手を組み悪どい商法で私腹を肥やしていたが、これに反対する浅井は急場の策として朝鮮米を買いつけるが、安川の工策により、政府の命令で朝鮮米は陸揚げ禁止となる。浅井の窮地を見かねた小しずは単身政界の大物牧浦奇堂伯爵(伴淳三郎)の還暦祝の席に出むき、米の一件をこん願する。さしもの奇堂も小しずの一途な態度に感銘し、解決に乗りだしたため待望の朝鮮米が陸揚げされ浅井の窮地は救われたが、発売を明日に控えた夜、突如、義心会の放った火により米蔵は炎上してしまう。駆けつけた浅井は義心会の手によって闇討ちされ、必死に消火につとめた勇吉らの努力も空しく全焼してしまう。羽織会の当日一心に“保名”を舞う小しずを見まもる勇吉に浅井の死が知らされた。怒りに燃えた勇吉は単身、安川めがけて殴りこんでいった。(KINENOTE)

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日本女侠伝 血斗乱れ花 (1971/4)


Source:東映ビデオ

監督:山下耕作
脚本:野上龍雄
企画:俊藤浩滋、日下部五朗
出演:藤純子、津川雅彦、高倉健、山本麟一、水島道太郎、大木実、遠藤辰雄、天津敏、加賀邦男、中村錦司、鈴木金哉、疋田泰盛、池田幸路、小田部通麿、内田朝雄、国一太郎、榊浩子、山田みどり、日暮郷子、野口貴史、丸平峰子、宇崎尚韶、有川正治
音楽:渡辺岳夫
撮影:山岸長樹
編集:宮本信太郎
製作会社:東映京都
配給:東映
上映時間:107分

明治の中頃、大阪船場の商人の娘が、亡夫の遺志を継いで北九州で炭鉱業の経営に乗り出す。新参者ゆえの辛苦を舐めつつも、向こう見ずで一本気なところが功を奏し成功する。やがて産業の支配を目論む巨大資本の手先と敵対することに…。的屋も博徒も出てこないけど、任侠映画の原点て意外とこんなあたりにあるのかも。(allcinema)

明治の中頃、大阪船場の一人娘平野てい(藤純子)は婿養子を迎え呉服商を仕切っていたが、夫の藤吉(津川雅彦)は石炭に取りつかれ店の金をもち出しては、友達の平吉(山本麟一)と組んでひと山当てる夢を追っていた。北九州へとんだていは藤吉を説得しようとするが、炭層を掘り当てた直後の落盤事故で息絶える。ていは、命を賭けた夫の志を継ぐ決意を固め、大阪の店をたたんだ。

その日からていの男勝りの生活が始まり、川船頭の吉岡幸次(高倉健)と知りあったのは間もなくだった。幸次は、女一人炭坑稼業に打ち込むていの姿に惚れ込み、炭坑の山頭の吉岡銀蔵(水島道太郎)に紹介した。幸次は、銀蔵の息子だが、親の意に反して川船頭になってしまったのだ。ある日、幸次は勘造(遠藤辰雄)の子分に襲われ、やむをえず三人を殺して八年の刑期で刑務所入りした。それから二年、ていは銀蔵、平吉などの働きで「平野鉱山」の看板を出した。

そして、さらに五年、ていの活躍は続き、やがて幸次も出所した。しかし、勘造と組んだ芦屋の問屋組合長大島儀十(大木実)は、ていに横恋慕し、平野鉱山を乗っ取ろうとその機会を狙っていた。ていの味方である松木(中村錦司)や仁平(天津敏)も大島の手にかかり、遂には銀蔵まで殺され、平野鉱山にはダイナマイトが仕掛けられた。あまりの惨事に、ていは炭坑を閉めることを心に決めるが、幸次の説得でもう一度やり直す決意を固めた。怒りをおさえる事のできなくなった幸次は、大島と勘造のもとに向った。幸次は、拳銃で傷を負いながらも、大島と勘造に斬りつけていった。(KINENOTE)

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日本女侠伝 激斗ひめゆり岬 (1971/11)


Source:東映ビデオ

監督:小沢茂弘
脚本:笠原和夫
企画:俊藤浩滋、日下部五朗
出演:藤純子、水島道太郎、大木実、西田良、潮健児、北村英三、南俊明、待田京介、紙岡紀美子、菅原文太天津敏、林彰太郎、有川正治、阿波地大輔、木谷邦臣、宇崎尚韶、白川浩二郎、秋山勝俊
音楽:津島利章
撮影:吉田貞次
編集:宮本信太郎
製作会社:東映京都
配給:東映
上映時間:96分

与那嶺ゆり(藤純子)は、戦死した両親の意志をつぎ、運送会社を経営していた。ある夜、暴力団岩松(天津敏)組にからかわれていた花売娘を助けたことから、ゆりの母親の郷里新城集落の悲惨な現状を知る。しかし、集落をたて直すためには岩松組のルートを通さねばならない。だが岩松組はスクラップの中に日本軍の九六式榴弾が混っていることを知ると横取りを計画した。そんな時東京の中上組々長中上鉄(菅原文太)が岩松組の客分として迎えられたが、岩松の卑劣な手段に反撥していつしかゆりの作業に協力をするようになった。一方、ゆり、中上殺害に失敗した岩松は、中上がパスポート偽造入国であることをMPに密告し、再び新城集落を襲い厳重な強制労働を強いた。中上は、東京から迎えにやってきた子分の秀(南俊明)に東京へは戻らぬ決意を告げ、ドスをふところに単身新城集落へ向う。秀から一部始終を聞いたゆりは、社員の当間(水島道太郎)をつれ、中上の後を追う。新城集落では岩松組との凄惨な死闘が展開する。当間の犠牲でバリケードを突破した二人は死にもの狂いで岩松を追いつめ、刺した。米軍憲兵隊に連行された二人だが、事件の一切の罪を被った中上はMPによって銃殺された。かなしみにうちしおれたゆりは、沖縄の別れの曲“花風”を愛をこめて無心に舞いつづけた。(KINENOTE)

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関東緋桜一家 (1972)


Source:東映ビデオ

監督:マキノ雅弘
脚本:笠原和夫
製作:岡田茂
出演:藤純子、高倉健鶴田浩二、若山富三郎、菅原文太、水島道太郎、木暮実千代、待田京介、伊吹吾郎、嵐寛寿郎、名和宏、林彰太郎、唐沢民賢、遠藤辰雄、天津敏、汐路章、八名信夫、南田洋子、藤山寛美、笠置シヅ子、山城新伍、成瀬正孝、長門裕之、金子信雄、工藤明子、石山健二郎、東龍子、中村錦司、野口貴史、川谷拓三、片岡千恵蔵
音楽:木下忠司
撮影:わし尾元也
編集:宮本信太郎
製作会社:東映京都撮影所
配給:東映
上映時間:102分

『純子引退記念映画 関東緋桜一家』(じゅんこいんたいきねんえいが かんとうひざくらいっか)は、1972年(昭和47年)製作・公開、マキノ雅弘監督による日本の長篇劇映画、任侠映画である。たんに『関東緋桜一家』と表記されることもある。(Wikipedia)

藤純子の引退への花道を飾る任侠オールスター大作。脚本は「任侠列伝 男」の笠原和夫。監督は「日本やくざ伝 総長への道」のマキノ雅弘。撮影も「任侠列伝 男」のわし尾元也がそれぞれ担当。 (KINENOTE)

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Last modified: Fri, 24 Mar 2023 16:53:37 +0900
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